「8月のクリスマス」の最後のピアノの音が、その余韻が、消えて、そして一瞬の静寂が訪れた。
まさやんも、服部さんも、ラッシュストリングスの皆さんも、お客さんも。消えていくその音に、終わってしまうすべてに想いを寄せて、言葉にならない感動を静寂に変えて、互いの胸の中にしっかりと刻み付けた。
Sound of Silence.
深々と90度に体を折り曲げてお客さんを迎えるダブルアンコール。
あふれる想いはあるのだろうけれど「もう1曲聴いてください」と静かに告げて、ピアノの前に座る。どこに行っても、鍵盤に置く手が震えていたその曲を丁寧に丁寧に、しかし確信を持って弾いて歌う。他の曲よりもちょっと短めのこの歌を歌い上げて、エンディングのピアノを奏でて・・・ペダルから足を離す。
どんな気持ちだったんだろう?
何を想っていたんだろう?
センターマイクに戻って、服部隆之&ラッシュストリングスを紹介して、このツアーを支えてくれたスタッフに感謝の言葉を述べて。
再び90度に深々と頭を下げたまま、静かに幕は下ろされた。
拍手 拍手 拍手
あっけなく客電がつけられて、退場が始まってもどこからか聞こえる拍手。どこからか沸き起こる歓声。互いに堅い握手をしているスタッフ。
このライブの、このツアーの感動を『終わり』にしてしまうのが惜しくて、このままこの気持ちに浸っていたくて。手を叩き、叫び、手を握り合い、声高に語り合う。アンケートを書いたりもする。
武道館の外でも同じような光景が繰り返される。
ツアータイトルを書いた看板を前に記念撮影に興じる人たち。ツアートラックを携帯カメラに納める人たち。久しぶりに会ったライブ仲間とはしゃぐ人たち。今日買ったツアーグッズを抱きしめるようにして家路を急ぐ人たち。
それぞれの思いを記憶を体に心に刻み付けて。
でさ、そういうことを体験してしまうと中々現実に戻ってこられないわけで。水曜日に出たコブクロのアルバム買おうかと思ったのに山崎まさよし以外の曲を聴く気にならなくて、まだ買ってないし仕事もどっか上の空で。今は
ドミノ
聴きながらこれ書いているし。26日に渋谷で再びまさよしくんに会った日にゃ、現実に戻るまでいったい何日かかるんだろう?
この記事のタイトルはスタンダップパートの最初の曲「僕と君の最小公倍数」の歌詞です。この曲を盛り上げパートに持ってきて、アレだけのアレンジでやってのけてしまうところに山崎まさよしって男の強さがあるんじゃないかなと思います。
一人きりでもきっちり歌になる曲をドラムとベースとストリングス加えて、もっと凄い曲に仕上げる。「ブルースなんかいかが?」って言って弾き始めたんだ、千秋楽は。ブルースで、ストリングスつけて、「あーああああああー」って今やたら私の中で回ってるボーカル乗っけて。
これって、本当に大元の楽曲に力がなければ出来ないことだよね。MY BEST FeibarittoアルバムDOMINOにある曲が今回印象的に使われていて、やっぱりアレは凄いアルバムだったんだなと再認識。そして嬉しくて。なので、今も聴いているわけです、ドミノ。歌詞カードのまさやん、ほっぺそげるように細くていい男だし。きゃはは。
来年は年明け早々制作に入るとか。
アルバム出して、プロモーションして、ツアーして。またアルバム作って・・・日常ってやつが戻ってくる。
15周年に再び服部先生とツアー組んで打ち上げしてくれるのを楽しみに、明日を生きていきましょう。そこに山崎まさよしの音楽がある限り。(なんてね (^^♪ )
10周年記念SPECIALサイトまさやんからの動画メッセージが見られます。