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「ロズウェルなんか知らない」篠田節子 読了

読書
01 /13 2008
お正月休みに読みかけた作品を今日の午後、都道府県対抗駅伝をBGに読了しました。
ロズウェルなんか知らないロズウェルなんか知らない
(2005/07/06)
篠田 節子

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篠田節子さんの作品はこれが初見。いろいろ賞をもらっている人なんですがなんとも私のアンテナにはかかってこなかった。どなたかの書評で「実力に人気が追いつかない」つまり、実力に対して人気がなさ過ぎる、ということでしょう。宮部みゆきと同じ小説の書き方講座に通っていたらしいですね。とっても読みやすくて、とってもNice!な文章なのに確かに人気は、宮部みゆきにはるかに及ばない…

でも、この小説は彼女の書いたものの中ではちょっと「異質」らしい。こんなに軽くないんだって、こんなにコメディタッチじゃないんだって、普通は。だから、この一本を持って篠田節子っていう作家のことを語るわけにはいかないのだけれど、でも、面白かったよこれ。


えと、村おこしの物語です。その村おこしの手段が「日本の四次元地帯」。UFOだの、神隠しだの、座敷わらしだのの胡散臭さ満載の怪しい以上に変なことがら満載のあれこれ。「青年クラブ」という、青年でない人々(30代後半独身)の集まりが死に体になっている村を何とかしようとするところから始まるんだけれど、なんとも、面白い。「そんな、あーた」って突っ込みどころ満載。で、最後は、泣く。泣いた。だって、いとおしいから。

調子に乗ってあれこれしかけている時の高揚感、それがばれていって一転してバッシングの嵐になったところから起死回生を支えるのは村を安楽死するしかない状況に追い込んだとみなされていた「古い人たち」。大女将の言葉の重いこと。隣のあいつらが栄えるくらいなら、何としてもそれを阻止したいというわかりやすい老人達の気概、ってか意地。それを、嫌味にならず笑いを含めて書ききる篠田さんの筆力、構成力。新住民である牧場主と胡散臭いコピーライターが、村のためにきっちり襟を正す終盤。物語だけじゃなくて、登場人物が生きている。「んな、あーた」と思いながらも共感せずにいられない。田舎の哀しさを知っているから。田舎で暮らしているから。暮らし続けるから。

そんで思い出したのが中之条。映画祭を始めるに至るまでのあれこれの中で、町役場に勤めるとあるまさ友が「こんな町になんで人が来るんだろう」って思ったって言ったことがあった。月とキャベツってなんなのよ? そんなことでなんで人が来るのよ。そんな一過性のものをやったところで、打ち上げ花火のように終わってしまうんでしょ? って。
それが、そうならなかった。打ち上げ花火ではなく、線香花火のように小さな火花がちろちろと光を放ち続けている。それが、町の人々にとっては驚きだった。たった一本の映画で中之条がこんなに変わるとは最初思わなかった。それが、変わった。伊参スタジオには年間1万人の入場者が訪れ、映画祭は両日チケットが完売し、売店は地元の産物が飛ぶように売れる。
この物語は中之条だ。町の人々には胡散臭いといわれながらも、町に何かをもたらすパワーを作り出す物語だ。UFOドラ焼きも、UFOパンも、ありだ。本物のUFOももちろん、ね。

篠田さんの他の作品も読んでみようかな?

コメント

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篠田節子さん☆

こんばんわ☆

最近、めっきり本を読んでいないなぁと思いつつ。
篠田節子さんは結構好きで読んでいたので、そうだ、何がお勧めだったっけ?と記憶を辿ると・・。
「神鳥 ―イビス―」 が印象に残ってます。
あとやはり直木賞を獲った「女たちのジハード」。
でもこの方ってホラー?SF?なのかな?

和音さんのお勧めの本、今度読んでみます。


おはようございます♪

女たちのジハード、これは知ってたなあ、名前。でも読んでない…
また、ちまちま探して読んでいきたいと思います。

>和音さんのお勧めの本、今度読んでみます。
ありがとうございます。
基本SFとミステリーなんですが…あちゃこちゃ広範囲にまたがっているんで
あんまり、「お勧め!」って言い切れないところが、辛い^_^;