海街Diary 9時半の回。お客さん30人いなかったけど…

映画
06 /28 2015
期待にたがわないあったかい映画でした。鎌倉の街も、河鹿沢温泉の佇まいも、四季折々のくらしの始末も秋生さんが描こうとしているもの、描いてきたものを丁寧に再現して、是枝監督のテイストもしっかり感じさせて。
吉田秋生の描いた漫画の絵と目の前にある映画の画とが微妙にダブって、なんだか凄くこみ上げるものがあり…気持ちよく泣いていました。ロケしたところをそれぞれの季節に廻ってみたいけれど…同じようなことを考える人がたくさんいるだろうから、出不精の私には無理かなあ。蝉時雨のころ、紅葉の頃、桜、新緑。「美しいものを美しいと感じることのできる心」を持って、ふらっと出かけていきたいなあ。



とはいえ。プロモーションであちこちに四姉妹が登場しすぎてて、なんだか既に「見てしまった感」が出てきてしまうのは仕方のないことなのでしょ。さらに、1巻の分だけでは物語としてメリハリに欠けるというか、よっちゃんやチカちゃんの印象が弱すぎるのか、今まで出ている(6巻)漫画単行本の中から使えそうな(というのは失礼か)エピソードをつなぎ合わせているのでちょいと上滑りな感じは、します。

多田くんを筆頭にしたすずの、というかオクトパスのエピソードはほとんどがっつり切られてしまっています。子どもたちのことまで描いて行くとなると尺が足りなくなるんだろうから、これも仕方がないと言えば仕方がないけれど、すずが主人公の部分ももっと観たかったなあ。オクトパス話だけ切り取ってもお話として十分に面白いもの。すずが大人になっていくことにおいて、オクトパスの子たちとの交流は欠かせないのだから、もうちっと丁寧にそこは扱ってもよかったかなぁ。
二宮のおばちゃんのことも、それまでのつながりが物語自体としてほとんど描かれていない間に「ああいうこと」になってしまって…長澤まさみの家族、恋愛、仕事、酒への想いが「雰囲気」だけになってしまったようにも思います。


姉妹四人それぞれが、きっちりイメージ通りなのは凄いです。(だからこそもっと、長澤まさみに酒への愛を表現してほしかった! あのシーンでのあの瓶、ちゃんと「大吟醸 熊うっちゃり」だったのに、それが語られないなんて!! そこ?by是)四人が住む家も、海猫食堂も山猫亭もそこにそのままあるかのようにちゃんと描かれていて、大竹しのぶも樹希樹林もさすがの芸達者で。
…続編があってもいいと思うんだけれど、それにはエピソード使いすぎちゃったよねえ。まあ、原作がまだ終わってないからもうちょっと話が進むの待ってすずが高校生になってからのお話にしてもいいかな? あの美しい風景、美しい佇まいを2時間だけで終わらせてしまうのはもったいないと思うのだわさ。


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