ワンダーWONDER R・J・パラシオ ¥1,500+税

読書
06 /30 2016
珍しく買ってすぐ読み終えました。この前書いたとおりそれぞれの登場人物の一人称語りが印象的っていうか、読書欲をそそるっていうかね。
目次で一覧ができなかったので読み進めるまで主人公のオーガスト(オギー)が一人で語ってるのかと思ったの。でもそれではきっとこの物語の面白さ、深さは伝わらないと思うのね。んと、素子さんの「もいちどあなたにあいたいな (新潮文庫)」って感じ? 一目見ただけで悲鳴をあげられてしまうような顔をもった主人公一人の語りでは世の中にある人の善意も悪意もそれと自覚しない思いも伝わりはしないって。

で、それぞれの章(partって表現になってる)で誰が語っているかというと。
1 オーガスト(中等科? 5年生になって初めて学校へ行く)
2 ヴィア(オーガストの姉・高校生になったところ)
3 サマー(オーガストと同じ学校の生徒)
4 ジャック(オーガストの“友人”)
5 ジャスティン(ヴィアの恋人)
6 オーガスト
7 ミランダ(ヴィアの同級生)
8 オーガスト

パパやママの一人語りがあってもいいかなって思うけれど、これはつまり若者の成長物語なのでそこでは大人であるパパたちは「わき役」に徹してもいいのかなって思う。結末がいかにもアメリカ的なハッピーエンドであったことも含めて、大人は大人としての記号でいいのかなってね。

そんなこんなも全部ひっくるめて一番ガツンと来たっていうか、ぐっと来たっていうかそういうのがこのセリフ。

そのときふと、こんなふうにぼくも、総立ちの拍手喝采を浴びることができたら、どんなにすばらしいだろうって想像しちゃったよ。世界中のだれもが、一生に一度はスタンディング・オベーションを受けなきゃならないって法律があるべきだと思う。

うん。本当にそう思う。そして、それを誰よりも強く思い、行動する人がそれを得られるのだと、自分にとって近しい人(物理的には遠くても)たちのことを思い浮かべながら読み進めていったんだ。
果てしないコンプレックスを抱え、いろんなことにおびえたり、哀しんだり、憎んだりしながらも、スタンディング・オベーションを求める情熱…若い人間だけでなく、私にもそれはある。

主人公の異形の姿への興味から始まった読書ではあるけれども、その奥にある「僕らの輝き」を感じることができる読書でした。


肉体だけでなく精神的にもコミュニケーション的にも「異形の者」を愛してやまないそこのあなた。お勧めでっせ!!



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