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酒井家のしあわせ

映画
12 /25 2006
公開日の23日に渋谷まで行って舞台挨拶付の上映を楽しみたかったのですが、さすがに渋谷は遠い。千葉でもたった一館だけ千葉劇場でやっていたので見てきました。座席数111。私と一緒に「酒井家のしあわせ」を見た人約20名。若い人、老夫婦、熟年女性二人連れ、男一人、女一人…みんな、酒井家のしあわせをちょっとずつ自分の心の底にしまってあったかい気分になって帰路に着いたんじゃないかと思います。とても素敵な映画でした。

公式HP見ると「あたたかい気持ちになれる、この冬一番の感動作」って書いてあるのだけれど、「感動作」っていうのとちょっと違うような気がするのね。んと、例えば南極物語は感動作なんよ、私的に。でも、戦場のメリークリスマスは感動作ではなくてあえて言うなら問題作、なのね。で、この「酒井家のしあわせ」は感動作というよりは、感情作、かな?ありきたりの言葉だけれど「心の琴線に触れた」って感じ。そっと、そっと心の奥深くのほそおい線にあったかい風が吹きつけた感じ。
「かんどーした!」なんて叫ぶんではなく「ふふ。ね、そうだよね。ほろり…」なんて感じかな。

何といっても特筆すべきは森田直幸くん!!
ユースケの義理の息子の次雄くんを演じているのだけれど「いるよね、こういう中学生」「あんた、なんていい子なの!!」「それは素?演技?いいや、そんなこと突き抜けてあんた、いい!!!!」
ユースケも友近も濱田マリも赤井秀和もみんな吹っ飛ばして、あんたが主役だ!それが証拠に、ほとんど音楽のないこの映画であんたが画面を占めているときにかかるあの音楽の優しさ。山崎まさよし渾身の作!ってな感じでギターがハープがアコーディオン(Dr.kyon)がスチールドラム(藤井珠緒)が次雄の体を包みます。

山崎ファンの方も、ユースケや友近のファンの方も、日本映画のファンの方も是非!是非!!見るべき映画です。Yahooのユーザーレビューのポイントが高いのはだてじゃない。見て下さい。泣いて下さい。微笑んでください。酒井家のしあわせを感じて下さい。

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酒井家の豆腐とキャベツの味噌汁を鍋の真上からただじっと撮るなんてところからして「ちょっとこの映画違うぞ」って思った。
ユースケ演じるお父さんが離婚宣言をするまでただ「日常」ってやつが続いていく。森田くん演じる次雄がユースケには血の繋がりのない息子であることや、妹の光ちゃんは異父妹であることや、次雄の学校生活やらが語られるだけで物語自体は何も進まない。でも、その描写があるからこそそのあとの次雄の慟哭がよりリアルな感情となるし「ショボすぎる」って呟きが、あんな悲痛な場面で笑いを誘う。

結局ラストシーンの数ヵ月後にはお父さん(ユースケ)は死に、友近にとっての二度目の夫との死別がやってくるんだけれど。それをしっかり理解させながらも、それぞれの人の笑顔で映画を締めくくる監督の意図、想いが素敵だと思う。思った。泣けた。

義理の父の命の短さを知った後に台所で母親に「市民病院に行こう。お父さん死んでしまうんだ!」って泣き崩れる次雄が、愛おしくて哀しくて泣かずにはいられませんでした。(もっともその前からずっと泣いてましたが>まっすぐに誰かのことを好きでいられることのしあわせを思いました。

酒井家のしあわせ…本当の幸せって何なのか、ちょっぴりわからせてくれます。家族がいなかったお父さん。家族を途中で失ったお母さん。途中で家族が入れ替わった次雄くん。それでもやっぱり家族ってあったかい。どうしようもないくらい「近い人」で、どうしようもなく無関心でいられない。忘れるなんて出来ない人。自分の家族に対するどうしようもない想いを再確認させてくれます。

愛してる…そんな言葉が素直に出てきます。
2月11日。うちの父の3回忌。その前にこの映画見られて良かった。そんなことまで考えた映画でした。


コメント

非公開コメント

涙が出ました。

ありがとうございます。
観に来て下さった事も嬉しいですが、素敵な文章に涙が出ました。
思わず、投稿しました。
監督もとても喜んでました。号泣されたようです。
特に最後の一文。
本当に、この作品に携われて良かったと思わさせられました。
ありがとうございます。

えと、どうも、ありがとうございます

本当に「酒井家」のかたで?
ああ、いや。そんなオフィシャルな立場の方からコメントなんぞもらったことがないんで、ちょっとびっくりしてます。
しかも表現することのプロの方から過分のお褒めのお言葉。いや、ほんま。ありがとうございます。
作品自体に「語らせる力」があるんだと思います。それゆえの私の文章だと、思います。

で、もう一回観に行こうかと思ってます。
クレジットに出てきた「あの歌」がどこで使われてたのか、全く気づかなかったんで、それを確かめに。
エンディングの酒井家の台所での細々としたなんとも「やるな」って感じを確かめたくて。
そんな細かいところを確かめるために、もう一度見たいと思っています。ただし、今度は水曜日か一日に。^^;

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